開発スタッフインタビュー
A.I / H.A / J.C / S.L
2DCGアーティスト
Profile
A.I
関東の専門学校のイラスト・漫画専攻を卒業後、ソレイユへ2018年に派遣社員として参画。その後すぐに正社員登用され、主に衣装デザインやキャラクターイラストの作成業務を担当する。現在は版権物の新規開発案件に携わり、2Dアーティストとして業務に従事している。バーチャルYouTuberが好きで、休みの日にはLive2Dを勉強中。
H.A
神奈川県川崎市出身。関東の美術大学の版画専攻を卒業後、2Dアートディレクターとしてゲーム業界でのキャリアをスタート。2020年にソレイユへ入社し、現在はA.Iと同じく、新規開発案件の2Dアーティストとして業務に従事している。プライベートではペン画や銅版画、水彩画などの作品制作も行っている。一番描いてて楽しいモチーフはゾンビ。
J.C
フランス出身。5年間ファインアートの勉強をし、2006年から映像業界にてコンセプトアーティストとしてのキャリアを開始する。いろいろな国で仕事や観光をしている中で日本へたどり着き、2015年にソレイユにコンセプトアーティストとして入社。現在は開発中の次世代機向けハイエンドアクションゲームのプロジェクトに従事している。
S.L
日本のゲーム業界へ参入することを夢見て来日したオーストラリア人のコンセプトアーティスト。2019年にソレイユに入社。キャラクターのデザインとイラストを描くのが得意で、いろいろなテイスト、特に日本のアニメスタイルとリアル調の絵を描くことが好き。現在はJ.Cと同じ開発中のハイエンドアクションゲームのプロジェクトに従事している。
今日はお集まりいただきありがとうございます。早速ですが、まず初めに普段皆さんがどんなお仕事をされているのかを教えてください。
H.A:私はアートディレクター補佐業務を行っています。 具体的にはイラストレーターへの発注、発注内容の策定、イラストレーターが描いたイラストに対する赤入れやクオリティ担保等です。そのほかにも、イラストの仕様やレギュレーションを決定したり、それらに関する資料作成も行っています。
企画チームとのやり取りも、H.Aさんが?
H.A:そうです。アートマネージャーと共に、現在のプロジェクトでは2DチームだけでなくUIチームの窓口としても、企画チームとの間に挟まって取りまとめています。
A.Iさんはどうですか?
A.I:イラストを描いています。ゲーム内に出てくるカードイラストやキャラクターの立ち絵、衣装やアセットのデザインも担当しています。構図も得意なので、全体の方向性を決める一番最初の下地も、私が担当しています。
S.LさんやJ.Cさんもイラストを描かれていますよね。
S.L:はい。私の場合はアイテムデザインをブラッシュアップしたり、UI素材やカットインイラストの作成を行っています。以前は、背景、特に建物のコンセプトデザインを行っていました。
J.C:僕はコンセプトアートがメイン。特に、3Dアーティストがモデルを作成するためのガイドラインを作成しています。プロジェクトにコンセプトアートの作業がないときには、ライティングやポストプロセス等3Dアーティストの行う業務にも携わっています。
一口に2Dアーティストといっても、その業務は幅広いんですね。ところでみなさんはなぜソレイユに入社したんですか?
A.I:自分のやりたいことをやらせてくれる会社がいいと思っていたら、ちょうどソレイユで衣装デザインの出来る人を探しているということで、派遣社員として入社しました。衣装デザイン、好きなんです。その後半年くらいして、衣装デザインだけでなくキャラクターデザインもお願いしたいのでぜひ社員になってほしいと会社からオファーがあって、正社員登用しました。
ソレイユでは、派遣から正社員になる人も多いですよね。この中ではJ.Cさんが一番長くソレイユにいると思いますが、J.Cさんはそもそもどういう経緯で入社したんですか?
J.C:友人の紹介で。僕が入社したのは2015年、今から6年前ですが、当時はすごくフシギな……というか変わった会社でした。面接へいったら、すごく派手な格好の人が出てきて、少し話したら明日から来てよと言われて(笑)。
明日から来てよ、なんてほんとにあるんですね(笑)。
J.C:うん。僕もびっくりした。でも、面接に参加していた人たちがとてもやさしくて面白い人たちだったから、入社することに決めました。
あれから6年経って、社員も3倍くらいに増えて、会社はかなり変わりましたよ。まず普通の見た目の人が増えた(笑)。通勤手当は全額支給されるようになって、残業時間もしっかり管理されるようになり、上長の許可なく居残りできなくなったりとか。当時はあと何日有給があるのか、誰も知らないくらいカオスだった(笑)。
一同:(笑)
そんな時代があったんですね。S.Lさんはどうですか?
S.L:私の前にいた会社は、スマートフォン向けのゲームを開発する会社でした。でもやっぱりコンシューマーゲームのコンセプトデザインがやりたいという思いが強くて、転職活動をしていました。ほかの会社も何社か並行していたけど、ソレイユは面接官の人たちがすごくフレンドリーで、ほかの会社と比べてフランクな印象が私にとってとても居心地がよかった。会議室の廊下からはスタッフみんなの笑い声が聞こえてきて、その明るさがとてもいいなと思って、決め手になりました。
結構、和気あいあいとした会社ですよね。入社してみてどうでしたか?
S.L:今まさに、あこがれだったコンシューマーの大規模開発に携われていて毎日楽しいです。以前のプロジェクトも誰もが知っている大型IPでとても誇らしかったし、そういった大きなタイトルに携われる点は、ソレイユの大きな魅力だと感じています。
H.A:私も前の会社ではスマートフォン向けゲームの運営でイラストを作っていました。ゲームを新規開発したい、新規案件に携わりたいという気持ちが大きくなり、ソレイユに応募しました。
運営タイトルでしか実績のない自分が、新規開発の案件に入社後すぐアサインしてもらえたことは自分にとってとても大きな出来事でした。大変さは実感していますが、やりがいを感じられる業務に携われてとてもよかったです。
ソレイユでは業界の長い先輩方から、日々の業務の中で勉強させていただける機会が多いので、そうした点も恵まれているなと感じています。
ゲーム開発に携わってまだ日が浅い人にとって、育成面が充実しているのはうれしいポイントですね。
A.I:私が入社した際も、メンターには2Dだけでなく3Dの勉強も並行できたらいいよねと提案していただいて。3Dモデルのフェイスペイントや衣装のデザインをしていたことがあるのですが、3Dのノウハウがあるとデザインラフの書き起こしに役に立つからと、今後の仕事を見越して、その人のスキルの幅を広げられるような新人教育や、新しいことをやらせてくれる環境があることはとてもうれしかったです。
皆さんの思う、ソレイユのいいところってどんなところですか?
H.A:クオリティの追及のレベルがとても高いと思う。妥協がなく、気になるところは徹底的につぶしていくという会社の姿勢から、自分の中のクオリティ担保に対する意識はかなり向上しました。アート重視でいいゲームを作ろうという意思を感じます。みんなの熱意が高い。そしてクオリティについては先輩たちがめちゃくちゃ厳しい(笑)。それがソレイユのいいところだとおもっています。
A.I:国内のIPだけでなく、『サムライジャック:時空の戦い』のように世界的に人気なIPのタイトルを開発している点がうれしいです。自分もその一員になれているというか。
J.C:そういう環境だから、僕みたいな外国人スタッフもすごく多い。外国人の仲間が多いせいで、日本語はどんどんヘタになってきたけど(笑)。居心地がいいよね。
S.L:ソレイユでは既存のIPものだけでなく、これからオリジナルのゲームタイトルの開発を進めていくっていう話がありますよね。すごく楽しみです。スタッフとして、そういう魅力的な会社の試みにはどんどん携わっていきたい!
Project EDOの件、楽しみですよね。
H.A:社員としても、やっぱり今後のオリジナルIP展開というのにはワクワクしています。やっぱりオリジナルIPのコンセプトアートとか、めちゃくちゃやりたい(笑)。小さな会社だからこそ成長していく様子が社員の立場からも見えるし、自分がその一部になっていることが面白いです。
ありがとうございます。わたしも、これからの展開が楽しみです。
さて、このインタビューを読んでくれている人の中には2Dアーティストを志して転職活動をしている人もいると思います。最後に、2Dアーティストなるために大切だと思うことを教えてください。
J.C:勉強とか練習ももちろん大切だけど、美術館へ行ったり、新しいことをたくさんインプットして、いろいろなことに影響されるということは非常に大事です。僕は週末よく日本舞踏を見たりしています。
A.I:私も、インプットすることは非常に大事だと思います。ソレイユに入社してから100点以上の衣装デザインを担当しましたが、アイデアが出てこず詰まる度、引き出しの多さの重要性を感じました。ネットサーフィンをするだけでも入ってくる情報量は変わってきます。その時の流行も大事なので、常に情報をアップデートして、参考になる引き出しを用意しておくといいと思います。
S.L:企業研究も重要です。もしゲーム業界を入りたいなら、まずは自分がどんな会社に入りたいのかを考えて、その会社の方向性をよく観察することが大事です。自分のポートフォリオをどうやってブラッシュアップしたらその会社に響くのか、魅力的に映るのかを研究をするといいと思います。何社か応募先があるなら同じポートフォリオを送るのではなく、それぞれの会社に合わせたポートフォリオを提出するべし!
H.A:私は、特に学生の皆さんにはデッサンなどの基礎をしっかりやっておいてほしいです。仕事で絵を描くということは、お客様から対価をいただいて商品を作るということです。例えばお金を出して買ったバッグの縫製が滅茶苦茶だったら腹立ちますよね?そうしたことが起こらないように、基礎デッサンをマスターしておいていただきたいです。
時々「デッサンが苦手で……」という方がいますが、まだデッサンの楽しみを見出せていないからかもしれません。意外にイラストを描くのと同じくらい楽しいことなので、自分なりの意義を見出しながら、楽しく練習してほしいなと思います。
S.L:仕事と趣味って本当に違いますよね。例えば自分の趣味はアニメ調のイラストだったとしても、会社からはその時々で、リアル系のテイストを求められたり、もともとあるIPそっくりに描くことが求められたり。自分の「好き」だけでなく、色んなテイストに挑戦していくことが、仕事と趣味の違いかなと思います。そしてそういうことが自分の幅を広げていくので、学生のうちから訓練しておくといいかもしれません。
J.C:そして情熱!情熱が何よりも大事。結局、これがなきゃ絵を描き続けることは難しいです。何度も何度もリテイクされたり、大変なこともたくさんあります。でも情熱があれば大丈夫。きっと皆さん心の中にあるものだと思うので、大事にしていってほしいですね。